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ミネキク はんこノート

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【手紡ぎ市】出店者インタビュー第10弾「nicorico」さん

手紡ぎ市 出店者一覧は、ここをクリック!

手紡ぎ市出店者インタビュー,第8弾は、陶芸家のnicoricoさん。
カラフルな,日常使いの器を出品してくださいます。
和のものなんだけど、洋のテイスト。
若い人らしい感性の、カラフルで、なおかつ、使いやすい器です。
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【プロフィール】
nicorico
何気ない日常ににっこりの笑顔を…をコンセプトに、普段使いの器や雑貨を制作しています。
江戸川区小岩に、工房&ショップを構え,陶芸教室も開催。
毎年開催の個展の他,都内各所のクラフトイベントに、多数出展しています。
HP http://www.nicorico.com/ 
blog http://blog.nicorico.com/


◆ 陶芸を始めて9年。専業になって6年。この度,工房兼ショップもリニューアルオープンされた、nicoricoさん。陶芸を始めたきっかけはなんですか?
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自分の周りに、アートや芝居をやっている友達,歌手として活動してる友達が多くて,自分の親も自営業だったから、なんとなく、組織に属さないのかな、と思っていまして。
やるなら、なんだろう。実家が陶芸家だから、陶芸家かな〜と単純に考えていたんです。うちは、父が陶芸家で、陶芸工房と陶芸教室,店舗をやっていました。

それで、陶芸を始めて見たんですが。趣味の域を越えませんでした。好きなもの作って,難しいところはやってもらって,それで満足。なんとなくピンと来なくて,止めて,一度,建築の仕事に就きました。

その仕事をしている時に,父の友人から、こう言われたんです。
「あやちゃん、陶芸始めたんだって? お父さん,すごく喜んでたよ。でも,もう止めちゃったんだってね」。
ああ,父は、私には何も言わなかったけど,喜んでくれていたんだ! それなのに、あんなに簡単に止めてしまって,申し訳ない事をした! と強く思ったんです。そのときに,陶芸をやるときは、もう生半可な気持ちではやって行けない,と思って。

建築の仕事は、好きでした。でも,どこか物足りない感じがあって。私は、手を動かして、何かを作ることが好きだったんです。図面書いても,職人さんに頼んで作ってもらう。完成しても,それは、自分の手で作ったものじゃない。物足りなさがずっとありました。

それを埋めるために、編み物やったり、ビーズ刺繍したり、レゼークラフトしたり、いろんなことをやりました。でも,どれも長続きしない。陶芸やってみようか、とも思ったけれど,中途半端にはやれない、と,できませんでした。

そして、働くうちに、組織にいると、自分じゃなくてもいいじゃない、と思えることが増えてきました。自分にしか出来ない事はないかな?と考えて。

それで、まずは、父のホームページを作ってみようと思ったんです。

父は、小岩で、40年陶芸をやってきました。店舗と、工房と、教室を構えています。でも,自分から何かを発信する人ではなかったので、「ここ何のお店? 陶芸のお店だったんだ!」という感じだったのです。

でも,いざホームページを作ろうと思ったら,自分は陶芸のこと、何にもしらない、と気付きました。

それで、教えてもらったり,自分で本を読んだりしているうちに、自然に、陶芸をやりたいな、という気持ちが湧いてきました。そこから、やろうか、やるまいか、2,3年悩んだでしょうか。ある日友達に,案ずるより産むが易しだよ、と言われて。じゃ、やってみよう。と始めたら,止まらなくなりました。

最初の3年は、建築の仕事と2足のわらじ。でも,そのうちに,自分の限られた時間を切り売りしている感覚になってきたんです。今日は1時間しか陶芸できない。そういう感覚が、だんだん辛くなって来て。それで,仕事を辞めて,陶芸1本に絞りました。

陶芸でだめなら、アルバイトをしながらでもなんとかやって行こう,と思っていたのですが
そういう状況にならずに、なんとかやってこられて,
これは、このまま、この道を行け,ということだろう
と感じて,今に至ります。



◆nicoricoさんの焼き物は、「甲和焼き」なんですね? 初めて聞きました。


私の生まれ育った、小岩の土を使った焼き物です。父が始めました。

陶芸というのは、元来、山の土を削って、山の薪を集めて,穴窯を作って,焼くものでした。

父は、穴窯は無理だけど,できるだけ原始的なやり方でやりたい、と、
生まれ育った小岩の土を使いたい、と考えました。
土を掘って,粘土を取り出し,そこから不純物を取り除いて,それを陶芸に使えるように精製していきます。土が使えるようになるまで、2年くらいかかります。父はそれを独学で、いろいろな文献に当たりながら,研究してきたのです。その土を使って,父は器を作っています。

とはいえ、なかなか地面を掘って粘土の材料となる元土を手に入れることは出来ないので、私は仕入れた粘土で作陶しています。

父が現役で作陶出来るのに十分な小岩の土のストックはもう底をつきそうなんです。

どこか江戸川区内のお宅で、庭先を掘らせていただけるところがあればいいのですが、なかなかそうもいかないですからね…。

小岩という地名は、諸説あるようですが昔の文献で甲和里(こうわり)と書かれています。それがなまって,こいわ、という名前になったんだそうです。そこから、自分の焼き物に「甲和焼き」という名前をつけました。


父は、そうして40年やってきましたが、
自分から発信する人ではないので
これからは、父の築いて来た陶芸がここに在るんだ,ということを
私が代わって,発信していきたいと思っています。
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◆こだわりは、どこですか?

人とかぶらないものを作る事。

私、最初のデビューが個展だったんです。目につかないと行けない。通る人に足を止めてもらわなければならない。そこで、もともとカラフルなものが好きだたったので、カラフルなものを。なおかつ、和の質感だけど、洋のテイストのものを作りたいと思ったんです。

誰かに師事している人は、その師匠の系統みたいなものに、沿っていってしまう。
私はそれがなかったので,何でもありでした。
自分らしい何か,
自分らしいってなんだ?
そういうことを、試行錯誤していくうちに、今のスタイルにたどり着きました。

顔は覚えてもらえなくていいけど、器を見た時に、見た事ある。覚えてる。そんな風に思ってほしくて。インパクトのあるものを作らなければ,と思っていました。
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形はシンプルで
子どもからお年寄りまで、使いやすいこと。
スタッキングできること。
食洗機で洗えること。
普段使いの器ですから
使ってもらわないと、意味がない。
使いやすさには、こだわっています。
自分で持ってみて、ん?って思うものは改良して。


◆確かに,nicoricoさんの器って、本当に持ちやすいんですよね。作家物って、素敵だけど使いにくいって、よくありますよね。

量産品と、作家物って、格差がありますよね。値段も,デザインも。

値段が高いと使えない。
割ってしまったら,2度と手にはいらないかもしれない。
それは、作り手の意思とは違う。
使ってもらいたいから作っているのに
使ってもらえないのは、意味がない。

流通の過程で、どんどん関わる工程が増える事で,値段が加算されてしまって,
気がつけば,高いものになっている。
それは、作り手の意思とは違うと思うんです。
使ってほしいから作っているのに
そんなに高いもの,使えないし
もったいないから、棚にいれておこう、というのでは
なんだか違います。
日常使いしてもらいたいです。

価格を3000円以下にしているのも、こだわりです。

形,バリエ、を揃えて
組み合わせることができる。
万が一割れても,同じシリーズを買える。
特別すぎてもやだ。
量産品と間違われても困る。
作家ものと量産品の間を行きたいと思っています。

とにかく、見て楽しいこと。
カラフルなものが好きです。
普段使えるかどうかを大切にしています。
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◆幸せを感じる瞬間

とにかく,作る時間が好きなんです。イベントなどで外に出ていて,何も作業できないと、ああ、土に触りたい! と思います。
教室で、みなさんが楽しそうにやっているのを見るのも,大好きです。最初は緊張して入って来た方が、ああー、楽しかった! と帰って行くのが、本当にうれしいです、陶芸の楽しさが伝わったんだなあとうれしくなります。一番、にまにましている時かも(笑)



陶芸の師匠であり,先輩であるお父さんに、「陶芸を教えてくれる?」という一言をいうのに、「覚悟」が必要だった,nicoricoさん。覚悟のある人は、かっこいいです。作品にも、作品に対する姿勢にも、それがキリリと表れていました。

どうぞ、お手にとって、持ち心地も味わってくださいね。

近づいてきましたよ!
「手紡ぎ市ープロの手仕事、集めました。」
9/22(土)、23(日)葛飾区青戸にて。
出店者一覧は、こちら!
出店者インタビュー,掲載中! 取材続行中!
第1弾 Lotus Nailさん
第2弾 123ベーグルさん
第3弾 Rose angelさん
第4弾 和泉恵さん
第5弾 Effe*さん
第6弾 starmineさん
第7弾 小太郎屋さん
第8弾 SO+さん
第9弾 pepechanさん

第6回スタンプカーニバルwithスクラップッキング
10/12(金),13(土)浅草にて。
http://www.stampcarnival.com/

今日も読んでくださって、ありがとうございました。
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by mine_kiku | 2012-09-11 05:00 | ★ミネキク主催イベント
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